WRCへの道

キャンベラ・ラリーレポート

インプレッサ
1)現行STi MC後(年改モデル)
2)現行 MC前 スポーツワゴン
3)現行セダン STi MC前

4)初代最終 Ver.6 タイプRA

 写真はVer.5です。

5)初代SW STi Ver.
6)インプレッサvsランエボ
・現行WRX装備表
・現行WRX諸元表
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・ラリー・オブ・キャンベラ

スバル インプレッサ

<初代最終 STi Ver.6 タイプRA>

 ここまで気合い入ってくると、もはやハンドル握りつつニタニタ笑うしかないな、です。路面のウネリでハンドルを取られるため、絶えず一定の保舵力キープしてないとアカンのだ。堅いブッシュのせいか、タイヤもゴロゴロと絶えずウルサイ。どうしてこんな性能を追求したタイヤ(BSのRE010)が市販車に純正装着されてるんだろ、とまで思う。さらにハンドルはパワステ付いてるのに重いし、シフトだって固いのなんのって。その代わりハンドル切ればクイックに反応。シフトもストローク短いから気持ちよく決まるんだけど……。いずれにしろ普通の道を普通に走っているだけで「こいつぁタダモンでないな」と感じる。

 そんならアクセル踏んでみようか、と全開スタートしてみたら例えようがないくらいパワフル! 1速は一瞬にして吹けきる。クラッチをケ跳ばすと同時に2速へ叩き込めば、2速も同じようなイキオイでレッドゾーンに。3速さえ3秒くらいでオシマイか。いや、そんなこと考えてるヒマないくらい操作が忙しい。こいつに乗っていると、ノンビリ自動車ヒョウロンなどしてられんワな。ある意味、達人の道具なのだ。
 それでは、ということでWRCのターマックステージみたいなタイトでアップダウン多いテストコースに入り、攻めてみた。ブレーキング残しつつコーナー進入し、タックインでテール流す。流れ始めたらすでにアクセル開け、ターボのブースト上げ、全開で立ち上がる。やや湿った路面でテール流れるけど、全神経をハンドルに集中すると、キッチリ流れる感覚が解るのだ。もちろんアンダー出る感覚も判断可能。

 それにしても速い! その上で楽しいじゃないの! これぞスポーツカーだと思う。文字通り自分の手足のように操れる。タイトなコーナーが連続するようなセクションだと、インプレッサに勝てるクルマは世界に存在しないだろう。皆さんあまり知らないけど、STiのタイプRAとタイプRのドライバーズコントロール式センターデフは、サイドブレーキ引くと前後の駆動力を分断する機能が付く。加えてサイドブレーキの効きを強化してあるため、面白いようにサイドブレーキターン決まる。超タイトなヘアピンコーナーじゃ、ツールドコルスみたいな走りも出来ちゃう。ノーマル車のまんまで。

 インプレッサくらいの走行性能になってくると、普通のヒトは事故らなくてもムチウチ症状出る。バケットシートでホールドされる身体こそ問題ないものの、首がツラいのだ。フル制動から全開すると、ほぼ2G差(遊園地のフリーフォールで落下する時の倍の加速)の加速度で前後に揺すられ、左右に滑る瞬間は横方向に2〜3Gのショック受けるそうな。サーキットと違い、一般道風テストコースはGの変化が激しい。

 最近鍛えてないせいか、20分ほど攻めてたら少しずつ首が疲れてきた。そこで「今日はこのくらいでカンベンしてやるか」とテストコースのベースに戻り、ややマイルドな味付けの2ドアに乗り換える。ここでマイルド、と表現することが正しいかどうかは難しい。というのもRAが飛び抜けて激しいのであり、2ドアも十分に凄いからだ。オートエアコンやパワーウィンドゥ標準装備されるも、2ドアボディは軽いため車重20kgしか重くない。

左はSTi Ver.3Vリミテッド(555台限定)。左はデビュー当時のクーペWRX typeR。

<タイプR>
 走り出すら、さすがにRAほどトンガッていなかった。直進安定性は長距離走行しても平気なだけ確保されているし、タイヤノイズも納得出来る範囲。毎日の足として使える能力を有す。横剛性を確保出来る倒立式ストラットのため、堅い足回りの割に乗り心地良い。動きがスムース。このあたりは外国製のスポーツカーみたいだ。
 もちろんテストコースを走ってみた。すると基本的にはRAと同じくらい速い! エンジン全く同じ。駆動系も同じ。ボディはWRカーに使われているのと同じ軽量&高剛性の2ドアとくる。ステアリングギアBOXが多少マイルドなくらいしか違わない(もしかしたら足回りも若干マイルドになっているか?)。速くて当然か? 今度は10分くらいで首が辛くなってきてしまう。

 RAとRの差は「普通なら使わないような極限のハンドリングと引き替えに通常走行時の快適性を得た」と評価しておく。いずれにしろインプレッサのSTiバージョンはすでに6回も進化を繰り返し、ある意味で究極の仕上がり持つに至った。弱点がない、と言い換えてもよかろう。新型のデビューは来年だと言われているけれど、現行インプレッサのボディが好みなら迷わず買いだ。
 ポルシェにも言えるコトながら、旧型車になってしまっても気合いの入ったクルマは味がある。そうそう。今回試乗した2モデルの他、4ドアのSTiバージョンというチョイスもある。ウォータースプレイやドライバーズコントロール式センターデフなど落ちるけれど(競技には使えない、という意味)、エンジン同じ。スポーツタイプのABSが付くので、むしろ乗りやすいと思う。奥さんもハンドル握る、というならこのグレードをプッシュしておく。

平成11年の記事